石としてある 第1号
石としてある 第1号
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ただ数が少ないというだけで
説明を求められたり 勝手に意味を見出されたり
求めてもいないのに肯定されたり 応援されたり
大きなお世話だ
河原にある無数の石のように
誰かの家でだいじに真綿に包まれてある石のように
日の光も届かない海底でじっとしている石のように
意味も定義も説明も証明も求められない
ただそこにあるものとして観測される
声や形や表現や文章が集まる場所をつくりたい
今までないものとして扱われてきた
見て見ぬふりをしたりされたりしてきた
声や思いや違和感を
あつめてすくいあげてととのえて
まるいテーブルの上にぽんと置く
そこからはじめてみる
そこからかんがえてみる
* * *
「石としてある」は、意味も定義も説明も証明も求められず、ただそこにあるものとして観測される文章や表現が集まるための場所として、だれにでもひらかれた文芸誌です。
自分自身のあり方や立ち居振る舞いについて、説明を求められたり勝手に解釈されたりしやすい社会のなかで、他者からの一方的なまなざしやわかりやすいストーリーから遠く離れ、説明できなさ/定義できなさを主体的に祝福し、曖昧で流動的な瞬間を記録して積み重ねていくような、そんな場所を目指します。
ポケットにこっそり忍ばせて、ひとりで眠れない夜のとなりに、みんなが帰った後のあかるい人恋しさのとなりに、だれかと通じ合えなさを感じた心許なさのとなりに、足元を細くゆらゆら照らすあかりとしてともにあれたら嬉しいです。
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石としてある 第1号
編集発行:本屋メガホン
デザイン:和田拓海 (本屋メガホン)
判型:新書判 (105×182mm) / 無線綴じ / 90ページ
印刷:イニュニック (表紙:タント(S-5) 180kg/本文:モンテシオン70.5kg)